ターゲット・バードゴルフ (target bird golf) は、ゴルフをミニ化したスポーツである。
ゴルフボールにバドミントンの羽をつけたボールをゴルフクラブで打ち、打数の少なさを競う。
ホールには上部がかさを逆さにした形の直径110cmの「アドバンテージホール」と
地面に約86cmの輪を置いた「セカンドホール」があり
セカンドホールにホールインした場合にはスコアはそれまでの打数に1加えた打数になる。
ターゲット・バードゴルフは、ゴルフのルールに準じているので分かり易く
狭いコースでも思い切りボールが打てる爽快感があり
他のスポーツでは使えない、起伏のある場所を活用することができるメリットもある。
このようなメリットを生かし、地域スポーツとしての村おこし、過疎対策などに活用されている。
また、体力に合わせて楽しむことができるので障害者スポーツとしても実施されている。
埼玉県の野嶋孝重氏によって考案された、日本発祥のスポーツである。
もっと気軽にゴルフの練習がしたい、なんとか狭い場所でもゴルフを楽しめないものかとあれこれ工夫をして、ゴルフボールにバドミントンの羽根をつけるアイディアが浮かんだ。
これが、現在のターゲットバードゴルフの原型である。
1969年のアポロ11号の月面着陸をテレビで見て、
「パシッと発進し、フワーリと着地するところは、考案したゴルフボールと同じだ」と野嶋は思った。
ゴルフボールにバドミントンの羽根をネジで取り付け、試作球を友人に配ったことから次第に普及するようになった。
その後、1985年2月8日、正式名「ターゲット・バードゴルフ」として発表する。
誕生当初はニアピン競技だったが、徐々に工夫と改良が重ねられ、現在のような道具を使用する形に進化した。
1988年に第1回全国スポーツ・レクリエーション祭の正式種目になった。
2000年以降も確かな広がりをみせる。
2003年には第1回全日本ターゲット・バードゴルフ大会が開催され、
2004年には全国67ブロックで地域大会も開催。
2005年の岡山国体にはデモンストレーション競技として初参加している。
さらにハワイやオーストラリア、中国、タイ、韓国など海外へも普及。
競技者同士の国際交流も魅力の一つになっているといえる。
近年、日本国内では年齢問わず健康ブームが大きなトレンドとなっている。その中で、このターゲット・バードゴルフは、特に高齢者スポーツとして全国的に親しまれている生涯スポーツの一つだ。単純明快なルールや体力的な壁もなく、ゴルフという誰もが知るスポーツと似ている為、競技を始めやすい、初心者でも気軽に始めることができる手軽さがある。さらに、専用ボールをホールに入れる爽快感が、他競技にはないターゲット・バードゴルフの大きな魅力でもある。
ターゲット・バードゴルフの歴史は、ゴルフの練習のためにという部分からスタートしたが、今では競技に参加すると皆が笑顔にも健康にもなる、人気のスポーツとして親しまれ続けている。
(1)使用クラブは1本だけに限られ、飛距離も18m~22m程度と短いので、老若男女だれでもが安心してフルショットでクラブを振ることができる。
(2)マットを敷いてボールを打つので、地面や芝を傷めず、コース設定によっては川越えや林間を通すなどもできるので、どこでも楽しくゴルフの醍醐味を味わえる。
(3)状況に応じて2~3ホールだけでも自由にコース設定できるので、小さな空き地があればいつでも気軽に楽しめる。
(4)ロングホールは70m~90mあり、ボールを空中に飛ばすので爽快感が味わえる。
(5)羽根付きボールのため風などの影響も受けやすく、自然との戦いも楽しめる奥の深いスポーツである。
(6)ゴルフの雰囲気も味わえ、しかもゴルフより安価で、毎日でもプレイできる手軽なスポーツで健康維持増進にも繋がる。
ボール
専用の公認ボールを使用する。合成樹脂製。
クラブ
TBG公認クラブの他、市販のゴルフ用ウェッジクラブも使用可能。
ただし、使えるのは1本だけ。
ショットマット
市販のゴルフ練習用(20cmx40cm)のもので、センターに白線の入っているもの。
ホール
開いた傘を逆さまにしたような形状
アドバンテージホール(上部ホール):直径約110cm
セカンドホール(下部ホール):直径約86cm
※道具の詳細については<用品のご紹介>からご覧ください。
常設の専用コースと仮設のコースがある。
空地があれば、林間でも小川や池があっても地形に合わせてコース設定でき、どこでも楽しめる。
ゴルフと同様、通常は4人1組で、18ホール(パー72)で競う。
ストロークプレイ、マッチプレイなどの方法がある。
競技の進め方
(1)スタートホールではじゃんけんで打順を決め、
第2ホール以降の打順は前ホールで打数の少なかったプレイヤーから打つ。
(2)アウトオブバウンズ(OB)の境界線からボールがコース外に出たら、
ホールに近寄らない(コンパス方式)ようにフェアウェイに戻して打つ。
この場合、打数は1打を付加してカウントする。
(3)ホールインワンはボールの羽根部分を除いた球部が、
アドバンテージホールかセカンドホールに入れば認められる。
ただし、セカンドホールへのホールインワンは1打を付加してカウントする。
(4)全員がホールインすると、次のホールへ進む。
(注意:全員がホールインするまで、自分のボールを拾い上げてはなりません)
ショットの原則
・ボールはショットマット上にセットしてから打つ。
・バンカー内ではショットマットは使わずに打つ。
ただし、ボールは球部を中心にして向きだけを変えて打つことができる。
・OBゾーンからのショットは禁止。必ずコンパス方式でフェアウェイに戻してから打つ。
・ホールエリアでOBとなった場合はホールエリアマークから打つ。
・ウォーターハザード(池、川など)内ではボールをハザード手前まで戻し、打ち直しラインから打つ。
・ボールはクラブヘッドで正しく打つ。押し出しやすくい上げ、かき寄せるなどの打法は禁止で、2打罰となる。
クラブの握り方
正しい握り方(グリップ)が上達のための大切な要因になる。
クラブの握り方はいろいろあるが、その中の一つ、「インターロックグリップ」という握り方を紹介する。
⃝左手の中・薬・小指で握り、親指は真上よりやや右に添える。
⃝右手は親指と人さし指で握り、左手の親指を右手のひらで包むようにし、左の人差し指と右の小指を絡ませる。
⃝このとき、雑巾を絞るようにして両手を内側にひねり、肩から手につながる線がV字になるように構える。
※左打ちの人は、左右の手が逆になる。
構え方
⃝白線の入ったマットを目標に正しく向けてセットし、その上にボールを置く。
⃝両足は肩幅程度に開き、マットの白線と平行になるように立つ。
⃝背筋を伸ばしてお尻を突き出す感じでやや前かがみに構える。
⃝ボールはスタンス(両足を開いた幅や立つ位置)の真ん中、グリップは左太腿の前、クラブのエッジは白線に直角に構える。
打ち方
クラブを振り上げるバックスイングは…
⃝左腕を中心に、左肘を曲げないでトップまで押し上げる。
⃝トップでは全体重をほぼ右足に乗せる感じで、顎の下に左肩が入るまで背筋を軸にひねる。
⃝トップでの手の甲は手前に折れないようにする。
クラブを振り下ろすダウンスイングは…
⃝両膝のリードで左腕を中心に引き下ろし、一挙に身体のひねりを解きほぐして、全パワーをクラブヘッドに集中させる。
⃝このとき、特に注意することは、頭を上下左右に動かさないことと、ヘッドアップしない(ボールを打つ前にボールから目を離さない)こと。
ボールを打った後(インパクトの後)は…
⃝左肘は地面を向いたまま(脇を絞める)右腕を目いっぱい目標に向けて伸ばし、フィニッシュはヘソが目標に向くまで腰を回し、全体重がほぼ左足に乗るように体重移動する。